農業のはじめ方図鑑 | farmer's 【ファーマーズ】

新規就農。新しい人たちの農業へのチャレンジ。

さいきん就農する人の話をよく耳にするけど実際のところどんな感じなんだろう…大変そうだけど…
ここでは最近就農した方、農業を仕事して始めた方たちに就農のキッカケや大変だった事、良かった事などをお話しをお聞きしました。

「農業で、人のために何かしたい」。その想いで就農した堀 良輔さんは、和歌山県の桃農家。非農家から就農し4年目になる堀さんに、就農のきっかけや将来の夢をお聞きしました。

(撮影は2012年4月)

―いつ頃「就農したい!」と思ったのですか?

大学時代です。自分自身でもよく分からないのですが、「農業で何かできへんかな」とパッと出てきて。もともと農業に興味があったことと、「人のために何かしたい」と思っていたので、そこで繋がったのだと思います。あと、親が後押ししてくれた事も大きいですね。大学卒業後は、青果会社での農業部門の担当や、有機農家さん・慣行農家さん・県での農業研修を通し農業を学びました。そして、様々な人の縁にも助けられ、地元・和歌山で就農しました。

―非農家からの就農となると、農地探しも大変だったのでは?

知り合いの農家さんが農地を手放そうとしていた時と、僕が本格的に農業を始めようと思った時期が重なり、借りることができました。その方は桃農家さんで、桃の樹もそのまま引き継ぎました。

―「桃栗三年柿八年」と言われていますが、すぐに収穫できる体制にあった事は大きいですね。

そうですね。それに、もともと桃を栽培したいと思っていたので丁度良かったです。桃を選んだのは、食べるのが好きということと、自分に向いていると思ったからです。就農前に何回か桃農家さんで研修をさせてもらった時、細かい作業が多くて大変だったのですが、それが自分に向いていると思いました(笑)。あと、年中収穫できる体制にしたいと思っていたので、桃(果樹)と野菜の複合経営を選びました。

  • (こだわりは、桃の完熟収穫)
  • (野菜は、里芋・玉ねぎ・枝豆・キャベツなど多品目を栽培している)

―栽培上のこだわりは?

土作りと減農薬です。ある研修先の方に「なんせ土が全てや」と教わり、今でも実践しています。例えば、除草剤を散布しないこと・有機質肥料を使うことを基本に、ネギ農家から出た大量のネギくずを撒いたり、薄めた木酢液を撒いて微生物を活性化させたりしています。また、農薬は極力使わないようにしていますが、散布する際はアミノ酸を入れるようにしています。展着剤にもなりますし、アミノ酸で葉が元気にもなるからです。減農薬栽培にすると草刈は大変ですが、それ以上に、もっと味の良い桃を作りたいと思っています。現在の品種は、八幡白鳳・白鳳・清水白桃・川中島白桃の4種類です。

(アミノ酸散布中)

―品種が多いと、樹の管理も大変そうですね。

桃はリンゴの次くらいに病気が付きやすい果物と言われているので(※注)、管理には大変気を使っています。特にここの農地は、桃の樹が通常よりは狭い間隔で植わっていたので、間引きをして風通しをよくしました。古い樹の方が安定して味の良い桃が収穫できるのですが、老木になると収量が減ったり、自然災害の際に折れやすくなったりするので、新しい樹への更新も考えていく必要があります。

(大雨と突風で折れた「八幡白鳳」の樹)

―販売はどのようにされているのですか?

もともと「個人で売りたい」と思っていたので、インターネットでの産直や、飲食店さん・八百屋さん・企業さん等へ直販しています。ありがたい事にリピーターの方が多く、クレームも今まで1つもありません。飲食店等は、最初は直接売り込みに行ったり、異業種交流会等で出会った方々との繋がったりして広がりましたが、まだまだ広げていきたいですね。
あと、ゆくゆくは加工もしたいと考えています。味は同じでも変形して商品にならない実をゼリーにしたり、桃は最終的に一つの枝に一つの実しかつけないようにするので、その過程で摘果する実を使って甘露煮にしたり、用途は様々です。そのためにも、面積を増やす必要がありますし、色んな業種の方と繋がりを持つことが重要だと思っています。

―生産・営業・販売管理と一人でされるのは大変ですね。

今は一人でできる限界ギリギリでやっていますが、将来的に規模が拡大すると雇用もしないといけないなと思っています。僕は味で勝負したいので、精一杯手をかけて桃を育てたい。規模が大きくなった時にどれだけ手をかけられるのかは大きな課題ですが、「広げるなら手伝うよ!」「販売はまかせて!」と言ってくれるベテランのおっちゃん・おばちゃんもいますし、栽培でわからない事を教えてくれる近所の農家さんもいるので、心強いですね。

(昨年結婚。奥さまは良き理解者の一人 ★FBより拝借)

―最後に、今後の目標を教えてください。

和歌山の南の方の過疎地に行って農業をすること!過疎地で桃をつくって観光農園をして、その地域の人に喜ばれたい。周りの人からは「なんでそんな辺鄙なとこ行くねん」と言われていますが、僕からすると宝物の塊みたいな場所なんですよ。ただ、そのためには、もの凄い覚悟とお金、それに理解者が必要です。今すぐ行きたい気もありますが、まずはここで地盤を固めて「いざ勝負」って時にうまく対応できるようにしておきたいですね。農業で人のために何かしたい。それで死ねたら本望です。

(取材:NOPPO編集部 福本由紀子)

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